猫の健康を考えるとき、どうしても「たんぱく質」や「ビタミン・ミネラル」に注目しがちですが、実は良質な脂肪(オイル)も、猫にとって大切な栄養素のひとつです。最近では、毎日の食事に少量の「オイル・トッピング」を加える飼い主さんも増えてきました。本記事では、猫におすすめのオイルとその効果、注意点についてご紹介します。
🐟 猫におすすめのオイル3選
1. サーモンオイル(鮭油)
- 主成分:EPA・DHA(オメガ3脂肪酸)
- 期待される効果:
- 皮膚・被毛の健康維持
- 炎症の抑制
- 関節の健康サポート
- 与え方:小さじ1/4程度をフードにかけて(体重に応じて調整)
- 猫が好む香りで食欲アップ効果もあります。
2. 亜麻仁油
- 主成分:α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸の一種)
- 期待される効果:
- 毛艶改善
- アレルギー症状の軽減
- 注意点:
- 酸化しやすいので、開封後は冷蔵保存
- 毎日与えるよりは間隔を空けた使用が安全
- 植物由来のためEPA・DHAには変換されにくいが、軽いサポートには◎
3. MCTオイル(中鎖脂肪酸油)
- 主成分:中鎖脂肪酸(ココナッツオイル由来)
- 期待される効果:
- シニア猫のエネルギー補給、吸収不良・消化不良に有用な可能性
- 認知機能のサポート(アルツハイマー類似症状の研究あり)
- 注意点:
- 与えすぎると下痢を起こすことも
- 少量(数滴)からスタートを推奨
- 特に老猫や元気のない猫におすすめのサポートオイル
🍽 オイルの与え方・目安
- 初めて与えるときは “少量から” を徹底(猫の体重や年齢に応じて)
- 1日おき、週2~3回など頻度を調整
- フード全体に軽く混ぜると食いつきUPにもつながります
⚠️ 注意事項
猫に人間用に市販されているオイルを与えることは慎重に判断する必要があります。人間用に市販されているオイルは、猫にとっての適量がわかりにくく、過剰摂取により軟便や下痢など、猫の体調不良の原因になることがあります。
📝 まとめ
猫はもともと肉食動物ですが、適切なオイルを適量取り入れることで、健康や活力をサポートすることができます。 特に毛艶や皮膚の乾燥が気になる子、年齢とともに元気がなくなってきたシニア猫には、「オイル・トッピング」という新しい習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考文献
- Debra L Zoran(2002) "The carnivore connection to nutrition in cats" (最終確認日: 2025年6月22日) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12479324/
- "Effects of dietary medium-chain triglycerides on plasma lipids and lipoprotein distribution and food aversion in cats" (2010) (最終確認日: 2025年6月22日) https://avmajournals.avma.org/view/journals/ajvr/71/4/ajvr.71.4.435.xml?utm_source=chatgpt.com